繊維高分子研究所の研究成果
近年の研究成果をご紹介いたします。
繊維・紬グループ
テーマ名 | 結城紬特性の定量化に関する調査研究 |
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概要 | 結城紬は「軽くて、暖かく、着心地が良い」と言われ、その製作工程の技術の高さからも、着物愛好家からは最高のおしゃれ着として認知されています。 その評価は、実際のところどうなのか、物理的な測定結果をもとに客観的に検証しました。 |
成果 | 結城紬は、保温性が高く、通気性が低いため「暖かさ」を感じる織物であり、単位面積あたりの重量も軽めで、表面の凹凸が大きく、摩擦係数も高いため、ゆるく締め付けても「着くずれしづらい」織物であることが確認できました。 これらの物性が生じる要因については、地機を使った片口開口という織り方が大きく影響していることがわかりました。 |
関連資料 | 研究報告書 h26/vol43_13.pdf h27/vol44_15.pdf h28/vol45_09.pdf h29/vol46_24.pdf h30/vol47_13.pdf |
テーマ名 | 変化組織による結城紬帯地の開発 |
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概要 | 結城紬は、織機の機構や産地規格、生地品質の面から、織物組織は平織りで、デザインは色糸の配色による縞や格子、また糸を部分的に染め分けた絣によって柄を表現し、商品展開を図ってきました。 今回、新たに織物組織で柄を表現する手法を取り入れ、「変化組織による結城紬帯地」を開発しました。 |
成果 | 結城紬で使われる平織組織用の高機織機において、「ろくろ」部分を1段式から2段式に変更することで、綜絖枚数を4 枚、綜絖を操作する踏み木を4〜6 本使用する条件で製織することができるようになり、多様な組織の織物設計が可能となりました。 新たな織物組織を導入するため、織目の目寄れや摩擦による毛羽立ち、縫い目の滑脱などの品質に係わる評価を進め、デザイン性と機能性を両立させた設計指針をまとめることができました。 |
関連資料 | 研究報告書 r2/vol49_18.pdf r4/vol51_13.pdf |