『Doog社が仕掛ける運搬イノベーションの取り組みとは』
#3サービス業編

掲載日:2020年12月16日(水)

開催日:2020年11月11日(金)

レポート

  • セミナー

2020年3回目のセミナは、つくば研究支援センターで行われました。登壇者は、筑波大学発のベンチャー企業、株式会社Doogの大島章氏(代表取締役)です。当日は、ご自身が開発された 移動ロボット「 THOUZER(サウザー) 」 を伴って会場に来られ、ロボット操作の実演や、参加者のかたに触れていただく、体験を交えての講演となりました。この記事は、その講演内容をレポートします。

現場で実際に使われて、喜ばれるロボットを作りたい

Doogは2012年に創業しました。社名の「Doog」は、ドーグと読みます。日本語の「道具」と意味を重ねて伝えたく、文字通り、 道具として役立つロボット の提供を目指しています。 道具のほか、「Doog→Good」(よいもの、優れた性能を実現する)、「Doog→Dog」(人の意志を尊重して、従順に働く)、といった意味を掛け合わせており、人が仕事や生活をする近くで働く、 協働型のロボット を開発し、現場に届けています。

協働運搬ロボット「THOUZER(サウザー)」

右の写真が、協働型の 運搬ロボット「THOUZER」 です。台車型で、人に追従して動きます。主に倉庫や製造現場などで使われているほか、空港やホテル、レストラン、建築現場などでも活用されています。2015年に提供開始し、約400台ほどの販売実績があります。 レーザーセンサーで環境を認知し、

  1. 人や台車を追従して走る、自動追従機能
  2. 床に敷設した再帰反社素材のテープに沿って走る、ライントレース機能
  3. 周囲の環境を記憶して自動走行する、メモリトレース機能
などが可能です。 詳しい動きは、ホームページに掲載している動画は こちら からご覧いただけます。

搭乗型ロボット「GAROO(ガル-)」

これは、 搭乗型ロボット「GAROO」 です。車椅子型で、人を乗せて目的地まで運びます。一人乗りの空港向けパッケージ製品で、シンガポールのチャンギ空港で採用されました。搭乗ゲートや入国審査への移動などに活用されています。 詳しい動きは、ホームページに掲載している動画は こちら からご覧いただけます。

大切にしていること ~最小単位のモノづくり~

自分たちが作るロボットは、特定の業界に向けたソリューションではありません。あくまでも、 いろいろな業界向けの部品としてのロボットづくり をしています。そのために大切にしていることは、

仕様を見極める

最小の構成は何か。どこまでをグローバルとし、どこまでを国内とするか。どこを共通化し、どこを現場でのカスタマイズとするか。その見極めに、最新の注意を払う。

システムを体系化して管理する

ソフトやシステムをモジュール単位で整理し、きちんと体系化して積み上げていく。

いまできることと、これからやるべきことをきちんと切り分け、作りたいものの全体像を描いておく。その上で、お客様の要望に合わせ、その都度、機能やラインナップを増やしていくスタイルです。あくまでも、 作るときは、お客様と一緒 。ほしい人、使いたい現場と共に作ります。私たちが行っているのはB to Bビジネス。開発にもそれなりに時間や費用がかかります。やりたいと言ってくださるお客様がいるから、広げていけるビジネスです。

協業体制の必要性 ~社会の隅々で生産性を上げる~

Doogでは、 ゼロから作る部分はなるべく少なく しています。台車であれば、台車を製造している適切な会社と組む。金型を自社で起こすことはしません。できる限り、枯れた技術(量産され、品質が安定し、コストも低く抑えられるもの)、適切な事業者と組むようにしています。 何もかも自前でやらなくてもよいのです。 業界全体で生産性を上げる ことを考えています。 販売は、ソリューション提案してくれる販売パートナーと組む。メンテナンスは、保守が得意な会社と組む。カスタマイズは、設計製造に対応できる、機械や電気事業者と手を組む。 協業体制を組むことで、事業を拡張することができる と考えています。

参加者とのクロストーク
当日は、移動ロボット「THOUZER」を介して、さまざまな意見交換が行われました。 操作を体験、すぐに反応するロボットを見て、その場で自社への導入を検討される企業もおられたほど。開発意図、活用事例、機能性、今後のビジネス展開など、多方面にわたる質問が飛び交いました。

Guest speaker

【講演者】
株式会社Doog
代表取締役
大島 章 氏

【略歴】
2012年に株式会社Doogを創業。 人が仕事や生活をする近くで、安全かつ確実に動作する移動ロボットを開発している。

  • 協働運搬ロボット「THOUZER(サウザー)」
  • 搭乗型ロボット「GAROO(ガルー)」
など

グラメモ:
セミナーで話されたことのメモ書きです。参加されたかた、参加できなかったかたに、当日の内容を少しでもお伝えしたいと、手描きで記録しました。
ふりかえり、内容確認にお役立てください。

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