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成果

職員が第16回日本醸造学会若手シンポジウムにおいて歴代運営委員長賞を受賞しました

成果

この度、日本醸造学会若手の会が主催する第16回日本醸造学会若手シンポジウムのポスターセッションにおいて、当センター 技術支援部 フード・ケミカルグループの國谷 宏輔 技師が歴代運営委員長賞を受賞しました。

 

【受賞内容】

〇発表タイトル
「乳酸菌Leuconostoc mesenteroidesを活用したスマート山廃製法による清酒の抗酸化能」

〇発表者
國谷 宏輔
(共同研究者 野口 友嗣*1、飛田 啓輔*1、臼井 卓二*2、村井 重司*2)
*1 茨城県産業技術イノベーションセンター 技術支援部 フード・ケミカルグループ
*2 村井醸造株式会社

〇概 要
当センターでは、輸出向け清酒製造を目的に開発した乳酸菌や酵母の県内酒蔵への提供や技術支援を通して、県産酒の輸出促進を支援しています。
本研究では、生酛(きもと)*3から分離した乳酸菌Leuconostoc mesenteroides 19-5株が優れた抗酸化能をもち、この乳酸菌を山廃酛(やまはいもと)*4に添加することで抗酸化能の高い清酒を得ることができる「スマート山廃製法」を提唱し、実用化を試みました。3年間にわたる村井醸造株式会社(桜川市)との製造技術に関する共同研究では、スマート山廃製法によって醸造した清酒は抗酸化能が高くなることがわかりました。これにより、得られた清酒の香味に変化が起こりづらくなり、品質を維持できると考えられます。そのため、海外輸出できる清酒の製造方法としての活用が期待されます。
なお、スマート山廃製法によって、村井醸造(株)と共同開発した日本酒は、「真上(しんじょう)Neo-Clasic」、「真上Aegis」、「真壁」という銘柄で商品化されています。

*3 清酒の伝統的製法の一つ。蔵付きの乳酸菌を酛(もと)と呼ばれる清酒酵母を育成する工程で繁殖させることで、pHを下げ、雑菌繁殖を抑制するというもの。
*4 生酛系酒母の一種で、生酛の特徴である米の糖化を早めるために水・蒸米・麹を櫂棒ですりつぶす「山卸(やまおろし)」の作業を廃止した方法。

 

【第16回日本醸造学会若手シンポジウムについて】

〇内 容
醸造学を志す若手研究者・技術者・経営者・学生などが最新の研究成果やアイディアを発表する学会(2009年度より開催し、今回で16回目)

〇開催日
2024年10月9日(水)~10日(木)

〇場 所
北とぴあ(東京都北区)

〇発表件数
37件(ポスターセッション)

[歴代運営委員長賞の概要]
ポスターセッションにエントリーした発表の中から、歴代運営委員長らの投票により、優秀な発表と認められるものに授与される賞。

 

【お問合せ】

茨城県産業技術イノベーションセンター
技術支援部 フード・ケミカルG(食品系)
TEL:029-293-7497 / FAX:029-293-8029
E-mail:food_chemical2(at)itic.pref.ibaraki.jp
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