研究テーマ

企業の技術革新を牽引するため、「IT・AI・ロボット」、「宇宙」、「機能性材料」の3分野について、大学や研究機関等との連携し、先導的な研究開発を推進します。

令和5年度 研究テーマ

テーマ名 期間 内容
次世代型生酛系酒母を利用した日本酒とその他の食品への応用に関する研究 R1-R5

 日本酒の製造工程の1つに、酒母造りという清酒酵母を増殖させる工程があります。酒母では酵母の増殖と発酵に伴いエタノールが生成されますが、酒蔵では、このアルコール発酵期間において、従業員が成分分析や温度の目視計測を行い、発酵状態の確認や適切な温度調節を行っています。しかし、酒母中のアルコール濃度分析は、人の手で作業を行う必要があるため、従業員を一定時間拘束するとともに結果が得られるまでに時間を要することから、温度調節などの処置が遅れる等の問題があります。
 本研究では、酒母中のアルコール濃度をリアルタイムで把握・可視化するため、非接触による酒母中アルコール濃度の推定に関する研究開発を行います。

少量データによるAI構築技術及びAIの実応用に関する研究 R2-R6

 AIを構築するためには一般的に膨大な学習データが必要とされ、学習データ数の削減が課題となっています。また、AIの判断結果を人に正確に伝える手法についても課題となっています。
 これら課題の解決のため、AIを応用する際の学習データ数削減に向けて、他の目的で構築されているAIを別の課題に適用する転移学習等の研究開発を行います。また、AIによる検査結果を現場で活用するために必要な複合現実デバイス(現実世界と仮想現実(VR)を融合させる装置)を用いた直感的な指示方法について研究開発を行います

次世代メンテナンスビジネスに向けたドローンの高機能化に関する研究 R4-R8 近年、ドローンの自律飛行技術の進展に伴い、インフラ点検等への応用が期待されています。しかしながら、実用化のためには、機体のブレや光の影響により空撮画像が不鮮明になること、力が発生する作業に対してドローンの適用が難しいこと等の問題があります。
 本研究では特に風力発電設備のメンテナンス作業を対象に、これらの問題を解決するため、空撮画像の鮮明度を撮影時に判別し、自動で再撮影を行う技術及びドローンによる簡易的な補修作業に必要なロボット技術に関する研究開発を行います。