開催日:2019年8月20日 - 21日
レポート
講座
ITエンジニア向けの、『IoT/Pythonを活用したデータ講座』が開催されました。
『IoT/Pythonを活用したデータ講座』は計5日間のプログラムとなっており、
「Raspherry Piを用いたセンサープログラミング」
「クラウドサービスへのデータ送信」
「AI・機械学習」
「Pythonによるデータ分析」
を講義と実戦を交えた形式で学習していく、大変内容の濃い講座となっています。
今回は、
「Raspherry Piを用いたセンサープログラミング」
と
「クラウドサービスへのデータ送信」
を扱った、2日間の様子を紹介いたします。
Raspherry Piを使ったIoTデバイス
近年、Raspherry Pi、Arduinoというマイコンの登場により、手軽に数多くのセンサーを扱えるようになり、
ソフトウェアエンジニアにとって、ハードウェアを制御する事が個人でも簡単にできるようになりました。
まずは最初に、このマイコンとセンサーを組み合わせて、
IoTデバイス
を作成しながら、データの収集も体験してもらいます。
今回はRaspherry Piを使って、センサーが生み出したデータを扱い、活用するために、実際にセンサーからデータを取集するには、センサーをどのように取り付け、どのようにプログラミングして制御すればいいのかを実戦していきながら習得していきます。
Pythonを用いたセンサープログラミング
今回扱ったセンサーは、 「加速度センサー」 「温度湿度センサー」 「チルトセンサー」 「カメラ」 「LED」 です。 各センサーとRaspherry Piを、ブレッドボードとジャンパーワイヤーを使って配線していきます。 正しい配線をしないと、センサーが壊れてしまうこともあるみたなので、慎重に配線していきます…が、配線を間違えなければ、誰でも簡単にセンサーを接続することができるものです。
今回、Raspherry Piでセンサーを制御するために、Pythonというプログラミング言語を使用します。
Pythonはこの後予定されている、データ解析でもライブラリが豊富に用意されており、
センサーの制御や、データの解析にも使えるプログラミング言語になります。
まずは、簡単なPythonの基本構文を覚えながら、センサーを制御するプログラミングも体験しました。
Pythonは、いろいろな分野もでも活躍している言語であり、他のプログラミング言語の経験があれば、Pythonも容易に使いこなすことができる扱いやすいなと感じる言語だと思います。
今回プログラミングしたものは、チルトセンサーを用いて傾きを検知したタイミングでLEDを点滅させてみたり、加速度センサー・温度湿度センサーで取得できたデータをファイルに出力してみたり、カメラで撮影した画像をファイルで出力したりと、実際にセンサーが生み出すデータに触れる体験をしました。
エンジニアは機器やデータを思い通りに扱うことができると楽しいと感じますし、こんなこともできないだろうか??と頭の中でいろいろ想像してみたりもします。
参加されていたエンジニアの方も、楽しさを感じながら夢中になって手を動かしていたように感じました。
今回使ったセンサーは、数100円程度で手に入るものもあったり、Raspherry Piも数1000円程度で購入できるものです。 実際に体験してみて、こんなに簡単に安く組み立てることができるのであれば、 プロトタイプの作成もさほど敷居が高くはないと感じました。 また、このCo-working Spaceにある3Dプリンタとも相性が良さそうに思います。 3Dプリンタを使えば、Raspherry Piとセンサーのケースも作れますし、プロトタイプに必要な部品なども思い通りに作れると思うので、 Co-working Spaceにある3Dプリンタを使いながらプロトタイプの作成も面白いのではないかという期待も抱きました。
データとクラウド
次に、実際に収集したデータを、今度はクラウドに蓄積するための体験を行っていきます。
データは、単発で収取しただけでは意味がなく、蓄積していくことにより、後のデータ解析に結びついていきます。
今回使用したクラウドは、
Microsoft Azure
で、Microsoft Azureのストレージデータサービスを使用して、
データをクラウドに蓄積する事を実現させていきます。
まずは、クラウドで必要な設定などを順番に学んでいき、
次に、クラウド上のデータにアクセスするために
REST API
を使い、Raspherry Piで収集した、カメラの画像データや、温度湿度などの数値のデータを蓄積していくプログラミングをPythonで組んでいきました。
また、データを蓄積するだけではなく、Microsoft Azureに用意されているComputer Visionという画像分析も使い、
クラウドでどのようなことができるかを体験しました。
2日間が終わって
この2日間で、データの収集からデータの蓄積と、少しのデータの解析を一通り体験しました。
私たちの身近なところではスマートフォンからも同じデータも収集できますが、
マイコンとセンサーを生み合わせることで、誰もが簡単に独自のIoTデバイスを作り出す事が可能だと実感しました。
今回扱わなかった、GPSセンサー、赤外線センサー、超音波センサー、感圧センサー、タッチパネル、サーボ等、マイコンにあらゆるモジュールを接続すれば、自分が望んでいるオリジナルのデバイスを簡単に作れると思います。
参加者された方からも、
「課題は残っているが、最初の一歩が踏み出せた感がある。」
と、新たな扉が開いたような嬉しい感想もいただき、この先には可能性があると感じてくれたような気がしています。
この2日間でデータを集めるまで行ったので、次回は、実際に蓄積したデータをどうやって解析して活用していくか体験していきます。
富士通ラーニングメディア 生方 史郎
2016年 株式会社富士通ラーニングメディアに入社。
インストラクターとして、データサイエンス、特に機械学習、ビジネスインテリジェンス関連技術を担当。
【主な実績】
ビッグデータ分析人材育成
データサイエンス人材育成
【専門分野】
AI(機械学習/Deep Learning) 関連講座
ビジネスインテリジェンス 関連講座
分析ソフトウェア(Pythonなど)を使用したデータ分析
【資格】
日本ディープラーニング協会 「JDLA Deep Learning for GENERAL2017」
本事業では、ITエンジニアコースの講座担当