R04(2022)年度
陶芸学科
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『HUG』
少し変形した球体のボディーに、蓮の葉をやや絞った形の差し込みを入れたもの。自分自身の骨壺である。骨壺にしては小さいが、半分は海に撒くためであるという。蓮の葉形や色彩が薄いのが葬送にふさわしいと言えるが、その用途を超えて、形・色感にそこはかとなく感じさせる艶っぽさが心地よい。
笠間陶芸大学校 学校長 金子賢治
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『揚濤』
直立した形が撓むことによって少しねじれ、そこに鋭いエッジが形成された、そんな佇まいを見せている。まさに波濤の中心を摘まみ揚げて上方に立たせたようなそんな感覚である。現代的な立体表現の中に意外に北斎の波に通ずる和感を持っているものなのかもしれない。圧力鋳込みならではの新鮮な息吹の局面を示して余りある。
笠間陶芸大学校 学校長 金子賢治