「IoT/AI等を活用したビジネスプラン構築研修 - プロトタイピング -」を実施しました。

掲載日:2021年10月13日(水)

開催日:2021年08月25日(水)

レポート

  • 講座

セミナー風景

 2021年8月25日。コワーキングスペースで、「IoT/AI等を活用したビジネスプラン構築研修」を実施しました。今回は6回シリーズの4回目です。テーマは「プロトタイピング」。これまで紙面で企画してきたサービスを市販のプロトタイピングツールで試作します。いわばソフトウェアの開発体験です。9社14名の皆さんが参加してくださいました。

なぜプロトタイプを開発するのか

 新たなサービスを企画したとき、それが具体的にどのようなサービスになるのか、どのような動きをするのか、使う人にわかりやすく伝わるよう、試作します。わかりやすく作る理由は、実際にそのサービスを使うユーザーから、適切なフィードバックをもらうためです。ユーザーからもらうフィードバックは、改善のネタでになります。改善を試作に反映し、何度も手を入れながら、サービスの形を仕上げていきます。いきなり本番開発には着手しないのです。これが昨今のソフトウェア開発スタイルです。安価なツールが市場に出回るようになり、可能となりました。ノーコード、ローコードと言って、ソースコードをまったく書かない、あるいは少ないソースコードで開発できるツールができ、誰もがソフトウェア開発に挑戦できる環境が整ってきたのです。無償である程度形にできるため、お奨めです。
 そこで今回はこのソフトウェア開発体験を企画しました。ツールの使い心地や効果、どのようなものが出来上がるのかを肌で掴むことが目的です。

プロトタイピングのコツ ~目的に合わせて思考を切り替える~

 サービスには、大きく2つあります。1つは顧客に向けたサービスで、新しい価値づくりです。2つ目は社内に向けたサービスで、業務改善です。生産性や品質向上、コスト削減に向けた取組などがそれにあたります。これらは目的が異なるため、サービス開発する際のアプローチ方法が違う(思考のプロセスが違う)ことを覚えておいてください。

試行の切り替え
顧客価値
人中心(課題発見・価値創造)
デザイン思考
  • ペルソナ
  • サービスブループリント
業務改善
業務中心(問題分析・課題解決)
課題解決プロセス
  • 業務機能一覧
  • 業務フロー

顧客に向けたサービス開発は、人中心に思考する ~デザイン思考~

 課題を見つけ、共感したこと。そして課題定義できたことは、すぐにサービスを試作し、その感想を人に聞いてまわりましょう。フィードバックをもらい、改善することで、サービス品質を高めていきます。
 この、アイデアを素早く試作し、人にあてて検証する。検証した結果をデータ化して学び、アイデアに活かしていくというサイクルで製品やサービスをブラッシュアップするという手法は、リスクが少なく失敗しにくいとして、広く世の中で採用されています。

社内の業務改善は、業務中心に思考する ~As Is To Be~

 業務改善は、問題解決型のアプローチです。現状とあるべき姿を比べ、そのギャップを埋める方法を考えていきます。その際、効果をきちんと可視化することが大事です。業務にITを取り入れる前と後で、どこにどのような変化があるのか。 Before/Afterで描いてみるとわかりやすいでしょう。効果の薄い取り組みは、実行することはお奨めしません。

ここまで話したところで、2人目の講師にバトンタッチ。サービスプロトタイピングの始まりです。スマートフォン向けのアプリケーション開発をAdobeXDで、業務の一部を自動化するところをPower Automate Desk(以下PAD)topで体験します。

プロトタイピング体験 ~Adobe XD & Power Automate Desktop~

 AdobeXDは、「思考の速度でデザインする」をテーマに作られたデザインツールです。軽くて、操作しやすく、効率的にデザイン作業を行えることから、デザイナー、ディレクター、エンジニアと幅広い層に利用されています。
 今回はUIを詰める前段階までのモックアップ(プロトタイプ)づくりを行います。

モックアップ作成風景

PADは、2020年にWindows10ユーザーに無償提供されたRPAソフトウァアになります。今回は、RPAで事務処理を効率化する際に頻出する、「CSVファイルからExcelへの転記」の自動化を体験していただきます。

モックアップ作成風景

参加者の声

 駆け足で2つのプロトタイピングツールを体験した皆さんに今回の感想を聞いてみると、 「実際のソフトを使って開発できたのが良かった。楽しかったです。RPAはぜひ実務に取り入れたい。」「AdobeXDとRPAツール。どちらも初めて触ったが、少し勉強すれば明日からでも業務のやり方を変えられる、画期的なツールだと感じだ。もっと勉強して業務に取り入れたい。」

参加者

講師は言います。「ツールはどんどん進化していきます。使うと便利なこと、おもしろいこともたくさんあります。ぜひこの機会に使ってみて、これからもキャッチアップしていってください。」
さて、実施にサービスを作っていく場合、プロトタイピングの次に行うことは、作ったものを継続的に改善していく、運用・保守のフェーズになります。サービスリリースに向けて、運用設計は不可欠。次回は、運用計画の立て方について学びます。

次回は「DX導入運用計画」。
続きます!

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佐藤 実可子

佐藤 実可子
株式会社SRIA
Webデザイナー


2012年の会社設立時から、受託にて大小さまざまな案件のWeb・アプリケーションUI/UXデザイン、Webサイト構築を担当。業務外ではイベント主催・運営協力に精を出し、Adobe XD ユーザーグループ仙台、Design Supplement Sendaiなど、仙台のデザインイベントを活発化させようと活動中。

  • Adobe Blog「Adobe XDでモバイルファーストのWebデザイン入門」連載執筆
  • Adobe MAX 2021 登壇 など

土井 英史
株式会社 SRIA


複数のIT系企業と約10年間のフリーランスの期間中にエンジニアとして小規模webサイトの構築、システム構築、wordpressカスタマイズなどを担当。
現在は社内PM、エンジニアを担当、主にPHP/JavaScriptなどによる業務に従事、RPA利用やchatbotの開発にも参加。
趣味で3Dプリンタで造形物作成やPythonなどを嗜む。

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土井 英史
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飯田 哲也
富士通ラーニングメディア
社内起業家(Intrepreneur)


組織が持つアセットを最大限活用することを前提に、外部アセットとのコラボレーションから、従来とは異なる事業を生み出す。お客様の成果と成長を伴奏支援し続けていくことに強い気概を持ち、現場に立つ。計9年間で70社、2,000名の人材・組織・事業開発の支援実績を持つ。

  • 共創空間「CO☆PIT」を11年前に立上げ、ビジネス展開
  • 業種/階層を超えた共創を軸とした人材育成・組織開発・事業開発を支援
  • デジタルテクノロジーを起点としたアイデアソン・ハッカソン/伴走コンサルティングを展開
  • 人材育成メディアGRIT の展開
  • 内閣府リリース「経営デザインシート」を活用した場のモデレーション、実践トレーニングを展開
本事業では、IT企画者全般の講座担当、Co-Working運営、ビジネスモデル開発時のデジタル化支援、及びメンタリング担当

塙 陸一郎
株式会社まなび梯
データサイエンティスト


アナリティクス関連領域の広範囲に渡る知見を活かし、デジタル技術関連の研修コースを多数開発し、データコンサルティングの実績を持つ。製造業、サービス業向けのデータサイエンス手法、テクノロジーセミナー展開。自治体と共同でビッグデータ活用セミナー展開

富士通ラーニングメディア認定講師

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