開催日:2020年2月25日
レポート
セミナー

コワーキングスペースの会員数も100名近くとなり、新たなビジネスの創出や企業連携も期待されるところではあります。そんな会員企業の皆さまからいただいているご要望の1つが
「企業間交流」
。今回はそんな期待に応える企画です。
コワーキングスペース初、懇親会付きの
「交流イベント」
を開催しました。内容は、基調講演、アイデア創出ワークショップ、懇親会と盛りだくさん。いつもにも増して活気あふれるイベントとなりました。
基調講演:企業連携による新しい付加価値の創造
登壇者は、株式会社トランストロンの黒瀬義敏氏です。講演テーマは、企業連携の必要性。
「今はまさに予測不可能な時代。自前主義に限界が来ている。だからこそ他社と手を組み、市場を増やす努力をすることが大切だ。」
とオープンイノベーション浸透の背景を紐解き、実践のコツを教えてくれました。
黒瀬氏が示した企業連携のポイントは、この3つ。
以下の3つの意図を持ち、自主性をもって行動しているか
- 態度(好き/嫌い)
- 主観(~すべきという意志)
- 行動(やりきれる感)
互いに成長することで、それぞれのサービス実現に近づけるような関係を築こうとしているか
社会にとって意味のある、共通善を為すような意味ある志であるか
(その価値の実現、具体化を自分のライフワークにできるか)
また、「新領域の事業は、なかなか理解されない。まだ世の中にない価値をサービス化しようとして いるわけだから、自分の頭の中には描けていても、まわりの理解を得られないことは多い。」
そのため、わかりやすい説明を用意しておくことも重要で、「説明のポイントとなるのは、変化の
兆しと、価値と、物語。今という時代の中で、どのような変化の兆しを感じ取ったのか、そこから
将来必要とされるであろう、どのような価値を発見したのか、その結果、どのようなサービスを
思いついたのか。自身の考えたサービスを、ストーリーをもって語れることが大切。
ミッションやストーリーを共有する上で最も大切なことは共感だ。理由は簡単。
金銭面だけのつながりであれば、資金が枯渇したときに関係性は途切れる。技術面だけのつながり
であれば、別の技術の採用を決めた時点で関係が切れる。でも、ミッションに共感していたら?
新サービスを実現するまで、ともに歩める可能性は高まる。そう思いませんか」と語った。

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自身が掲げるミッションについては、野中郁次郎氏に
「君の想う善は何か?」
と問われたことを
引き合いに出し、「野中先生の言う
『善』
というのは、社会にとっての共通善。そのくらい大きなことを問われている。
それで私は、「
『おせっかいな人を増やし、人が暮らしやすい街/社会を育てること』
と答えた。」と説明した。

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このミッションを自身のライフワークとし、社会に実装させるため、黒瀬氏自身も企業連携を 実践している。 富士通アクセラレータプログラム(FAP) を通じて出会った、 株式会社アジラと共に、高齢者をAIで見守る『まちみま』というサービスの立ち上げを 目指しているのだ。

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黒瀬氏はこう締めくくった。
「出会いより、『再会(再開)』が素晴らしい。皆さん、またお会いしましょう。」
今日の話を聞いてくれた企業と、いつかパートナーとして再会したい。
そんな黒瀬氏の思いを感じることのできた講演であった。
注:野中郁次郎(日本の経営学者。一橋大学名誉教授。知識経営の産みの親として知られる。)
企業交流ワークショップ:企業連携によるアイデア創出セッション
① 自己紹介
今日のイベント、どんな人が来ているのかな?
イベントに来ている人とつながれるスマホアプリ
『Buddy up!』
を使って、自己紹介。




② 新しい事業イメージを膨らませる
他県のコラボレーション事例や、政府の取り組みを
『Webコア Innovation Suite』
を使ってインプット。
机の上に置いた
「アナログカード」
も使い、どんな事業に取り組みたいか、事業イメージを膨らまします。




③ アイデアスケッチ
富士通グループのビジネスイノベーターが、テーブルごとに1人参加。
活発な議論が行われるよう、テーブルファシリテーションを務めます。
県外事例を紹介したり、皆さんの意見を伺ったりしながら、
グループごとにアイデアスケッチをまとめました。




注:富士通グループ ビジネスイノベーター
全国の拠点に配置されている、ビジネス変革の推進を担うメンバーです。
今回はワーショップの場づくりや県外知見の提供などを支援します。
今回参加したメンバーはこの4人。

ビジネスクリエーション
統括部

神奈川支社

関東支社

高知支店
企業交流
交流会の様子




デモンストレーション
今回のイベントには、茨城県立産業技術短期大学校の学生さんも参加。
コワーキングスペースで行っているプロトタイプ作成について、
その成果をデモンストレーション形式で紹介してくれました。





【講演者】
株式会社トランストロン 情報サービス開発部 ソリューション課
株式会社富士通総研 経済研究所 実践知研究員
黒瀬義敏 氏
【略歴】
富士通株式会社、富士通研究所を経て、株式会社トランストロンで運行支援システム等の新ビジネス創出を行っている。
2010年、富士通時代にオープンイノベーションに目覚め、企業間コラボレーションや、スタートアップ連携を始めた。
現在は物流業界にIoTを導入、既存ビジネス拡充や、新領域ビジネス創出に従事している。
富士通グループ横断で社会課題解決につながる事業実現をスタートアップを含め複数の事業社と推進中。
グラメモ:
セミナーで話されたことのメモ書きです。参加されたかた、参加できなかったかたに、当日の内容を少しでもお伝えしたいと、手描きで記録しました。
ふりかえり、内容確認にお役立てください。