開催日:2019年9月10日
レポート
セミナー
ものづくりで世界を幸せに

狭山金型のビジョン

私の会社は
「超微細加工」
を強みとする会社です。
0.1ミクロン単位まで制御し、金型をつくります。
金型をつくるにあたっては、企画・設計から製作、製造、
コンサルティングまで、すべてを手掛けるプロフェッショナル集団です。
ふつうの金型屋の場合、試作や製造を請け負うことを範疇としていますが、
私たちは、すべてやります。そこまでやることが、コスト競争に巻き込ま
れないための矜持だと考えています。
手を組んで、強くなる ~チーム入間~
現場力を高め、世界で戦う力をつけるために、地元の仲間と
「チーム入間」
という会を結成し、技術交流をはかっています。
仕事も受けます。いわば、
「加工受託集団」
です。
互いの会社は、金型、プレス、MC加工、レーザー加工など、
それぞれに得意分野を持っています。たがいの強みを活かしつつ、
力を合わせれば、大きな仕事をチームで受注できると考えました。
実際、
「部品の請負」
ではなく、
「製品を受注」
する機会が増えたことを実感しています。

若者が働きたいと思う会社をつくる

そもそも中小企業で、製造業というと町工場。マイナスのイメージを持たれがちです。身体を酷使する作業があるだけでなく、汚れやすかったり、独特なにおいが身体にしみついてしまうような、いわゆるキツイ職場です。
- キツイ
- 汚い
- 危険
- キレイ
- かっこいい!
- 感動
尖った強みを持つ ~「何でもできます」は強みにならない~
私は25歳で社長になりました。先代の後を継ぐ形でなったのですが、
若造が売り込みに行っても、相手にされません。「何でもやります。
何でもできます」と言っても、信じてもらえないわけです。
ですので、
「これができます。これだけは日本一です!」
と言い切れる、
強みを持つことが大事だということを学びました。

海外に打って出る ~ジョイントベンチャー設立~
自社の強みをもって世界に打って出ようと思い立ち、
世界で一番の金型展示会に出典しました。2006年のことです。
海外の人は、日本の製品に対して高い信頼感を持っています。
「日本で作られた=高信頼性のモールド」
という印象をもたれている、
そんな手ごたえがありました。だから割合と引き合いはあったのです。
ただ、日本にしか拠点がないとわかると、その先に進まない。
商談にまで結びつかないのです。そこで、シンガポールに
ジョイントベンチャーを設立しました。初めて会った
シンガポール人とです(笑)。2012年のことでした。
現地に営業拠点を持つことで、商談がとれるようになりました。
今では、フランス、スイス、ドイツと取引を拡げています。

人を育てる

事業を継続させるためには、人を育てることも重要です。
よく、若い人はすぐやめてしまうという話を耳にしますが、そんなことはないですよ。
当社では、月に1回の研修で理念の共有をしています。理念を共有し、ベクトルを合わせたら、人は辞めなくなりました。
研修の間合いが、月1回というのがミソですよ。一カ月もたつと、忘れそうになるでしょう?そうしたらまた研修する。忘れないですよ(笑)
狭山金型のビジョン ~コスト競争に巻き込まれない~
狭山金型のビジョンは、
「コスト競争に巻き込まれない」
です。
それだけの力を蓄え、保ち続けなければならない。だからうちは、
「企画→設計→試作→製造」
まで全てやります。
ふつうの金型屋は、図面をもらって作るところを請け負います。
「試作→製造」
の工程ですね。すべてやるところが、うちの強みです。
よく、こんなお客さまいらっしゃいませんか?
「品質は、レクサス並みがよい。でも価格は軽自動車並みがよい。」
ドイツには、メルセデスやポルシェがあるでしょう?
いいものにお金を出すお客様がいるのです。
我々はそういうお客様とつきあいたい。
だから最新技術への挑戦を続けていきます!


【講演者】
株式会社狭山金型製作所
代表取締役
大場治氏
【略歴】
大学卒業後3年で父である先代社長の跡を継ぎ、現在では4年の内に13回も海外の展示会に出展し、海外企業の注目を集めるまで事業を拡大。2012年8月にその先駆けとなるシンガポールの合弁会社を設立しましたが、あくまでモノづくりの
“現場を日本に残す”
信念の元、本拠地である日本の狭山地域で活動中。現場は日本に残して外貨を獲得する、といったモノづくりの超高性質リーディングカンパニーを目指す。