デジタルトランスフォーメーション アイデアソン

開催日:2019年9月6日

レポート

  • 講座

9月6日に開催した、【IT企画者-ITエンジニア共通コース】デジタルトランスフォーメーション アイデアソンの開催です。 7月26日から開講したIoT/AI等技術研修の最終講座です。経営層とIT企画者とITエンジニアが一同に会し、各々が保有している現業能力と学習してきたデジタル活用の知見を基に、ユーザーとエンジニアが共創する場を設け、より現実の世界に近しい形式での活動を行いました。 1日という短い時間の中で、デジタル活用基軸の強いアイデアを作ることに挑戦しました

限られた時間でアイデアを形にする

アイデアソンはアイデア(idea) +マラソン(Marathon)の 造語で、様々な専門性を持ったメンバーが、限られた時間の中で、製品・サービス、コンセプトを形にする場のことを示します。特に、限られた時間の設定は、参加者の集中力を研ぎ澄ませる重要なポイントです。更に、グランドルール(プロセスやツールよりも対話が大事/頭で考えるより手を動かそう/限られた時間のなかでやりぬくことが大事)を設けることで、互いの知見を結合させる(イノベーションの種を生む重要な活動)ことに注力しました。最後は、アイデアを企画書という形にすべく、全力で知恵を出し合いました。

パターン1:自社単独/パターン2:マッチング

本アイデアソンでは、活動パターンを2つに分けて取り組みました。1つが、IT企画者の持込テーマにITエンジニアが支援する形で参画するモデル、もう1つが、IT企画者とITエンジニアが共通テーマを持って共創活動するモデルです。 持込テーマは、ニーズ領域が限定されているため、より実現性の高いアイデアを追求し、共通テーマは、ロマンを求めて長期タームの実現を前提としたアイデア発想をしていました。各々が描く事業の最終ゴールに対して、バックキャスティングで攻める方と、実現性の積み重ねから大きな変革を狙うフォアキャストな方と双方のバランスをとる方、様々でした。 ただ、いずれにしても、有用性×収益性×持続可能性を高めるアイデアでないと実働を見据えた場合、成功の確率は上がりません。 成功するためには、再度学習したデジタル技術が持つ新たな可能性、サービスデザインが生み出すユーザー中心の価値、ビジネスデザインから展開する収益化を愚直に検討、発想しなおすことを進めていました。 ただ最も難しいポイントが、経営層、IT企画者、ITエンジニアの事業変革への“やり抜く気概(GRIT)”を共鳴させていくことです。 この共鳴がないと、事業変革が人ごとになり、失敗への序曲が流れます。 そのために、何度もメンバー間で対話を繰り返し、走るべき方向性を確認しつづけていました。

思考限界の先へ

考えても考えて思い描いたアイデアが出てこないことは、間違いなく皆さんの経験で あることでしょう。アイデアソンは、その先を導くことを誘発する装置です。総勢30名の経験の異なる事業者と産業技術イノベーションセンターのメンバー、ファシリテーターが、担当テーマを超えて、他社/他者のために知恵を出すタームを設けることで、全く違う角度からのアイデアが可視化されます。共感、共鳴できるアイデアがどうかは別として、自身の思考限界を超えたアイデアが生まれる醍醐味を感じ取りながら、活動を進めました。 また、グランドツールで示した通り、対話と同じく重要なことが、手を動かすこと。ただ、アイデアを発想して言葉だけで示したものは、抽象度が高く、他メンバーからの共感が得られない可能性が高くなる。言葉をスケッチ等で可視化すると、共感した箇所とそうでない箇所が明確になり、よりよいアドバイスやアイデアが生まれる可能性が高くなる。 この対話と手を動かすことを1日繰り返し行い続けて、1つの成果物をつくりことは、成果物品質より、経験品質を高める。この経験が、実務適用した場合の感性に反映される。IT企画者はデジタル価値、ITエンジニアはビジネス価値、経営者はサービス価値に実体として気づけないことが多い。アイデアソンでは、自身の思考の弱さを補完してくれるメンバーがいる

アイデアブラッシュアップ(シェア 兼 フィードバック)

最後は、対話を通じた企画の評価とフィードバックを行い、アイデアを強化する、アイデアを変える、アイデアを捨てる、判断材料を多くの参加者から提供した。 “初期アイデアが、そのまま実用化されることはない“とよく言いますが、その通りで仮説検証が100%合致することは本当にまれなこと。他社からもらった貴重な言葉と自身の想い、そしてマーケットや社会からの要請に応えられる内容になっているか、再度確認し、アイデアソン及び研修全体がクロージングした。 実務で持ち帰る方、次のステップであるビジネスモデル構築研修へ進む方と様々だが、デジタルの可能性を信じて、事業変革に取り組んでほしい。

information

富士通ラーニングメディア 飯田 哲也

社内起業家(Intrepreneur)
組織が持つアセットを最大限活用することを前提に、外部アセットとのコラボレーションから、従来とは異なる事業を生み出す。お客様の成果と成長を伴奏支援し続けていくことに強い気概を持ち、現場に立つ。計9年間で70社、2,000名の人材・組織・事業開発の支援実績を持つ。

  • 共創空間「CO☆PIT」を9年前に立上げ、ビジネス展開
  • 業種/階層を超えた共創を軸とした人材育成・組織開発・事業開発を支援
  • デジタルテクノロジーを起点としたアイデアソン・ハッカソン/伴走コンサルティングを展開
  • 人材育成メディアGRIT の展開
  • 内閣府リリース「経営デザインシート」を活用した場のモデレーション、実践トレーニングを展開
本事業では、IT企画者全般の講座担当、Co-Working運営、ビジネスモデル開発時のデジタル化支援、及びメンタリング担当